作家志望で三児育児中の40代主婦

長女(8歳)、次女(3歳)、長男(1歳)の育児をしながら、小説やエッセイを書いています。

夏休み9日目。3人育児の合間に、海へブラリ。40歳主婦の息抜きは、海をぼんやり眺めること。

 夏休み9日目。
 今日もお弁当を作り、子ども3人を連れて、公園へ遊びに行きました。炎天下で子ども達と鬼ごっこをし、クタクタな40歳ババア。帰宅途中の車内で1歳長男は遊び疲れてお昼寝。8歳長女と3歳次女はまだまだ元気いっぱい。帰宅したら、わたあめメーカーでおやつにしたいというので、久しぶりに戸棚からわたあめメーカーを出しました。これは、次女が誕生日プレゼントに祖母から貰ったものです。後片付けがめちゃくちゃ面倒なので、あまり使いたくない代物です。
 夏休みだし、たまにはいいか…、ということで、大きな綿あめを作り、子ども達は大喜び。わたあめメーカーの容器にカピカピにこびりついた砂糖の固まりを見ると、ハー、とため息がでます。これ、水洗いできないので、お湯を含ませたメラニンスポンジで、ひたすらコシコシやるわけです。メンド〜(泣)
 そんなこんなで、子ども達をお風呂に入れて、夕食の支度などしていると、夫がめずらしく早く帰宅してきました。18:30。

 あ〜!海に行きた~い!

 私の住んでいる場所は、車で10分も走れば、海へ行けます。私、海を見るのが大大大好きで、ストレスや疲れが溜まってきたら、海へ息抜きしに行っています。

私「夕食の準備できてるから、一時間だけ出てもいい?」
夫「いいよ〜」

 ということで、海へ行くことにしました。6時半なら夕陽に照らされたオレンジ色の海が見れる!
 急いでジーパンを履き、出かけようとすると、案の定、1歳長男が泣き出しました。

「うぎゃ〜!(オレもつれてけ〜)」

 私の足にしがみついて、涙ポロポロ。
 仕方なく、抱き上げるとピタリ。ギュッと私の服を掴んでいます。
 小さな息子をおいて出かけるのは、気がひけるなあ、とも思いましたが、ストレスためた状態でイライラしながら育児をすることの悪影響を思うと、息抜きしに出たほうが絶対にいい。
 テレビを観ている夫の膝にホイッ、と長男を預け「あと、よろしくぅ〜」とさっさと家を出ました。ドアの向こうから、長男の泣き声が聞こえ、キリリと胸が痛む。 

 ごめん、一時間で帰るから〜 

 そんなこんなで、車で、10分の海にやってきました。時計を見ると、19時。すでに夕陽は沈んでいました。うっっすらと、西方向の海にオレンジ色が残っていましたが、あっという間に灰色の雲が空を覆ってしまいました。残念。
 陽光に照らされてキラキラ輝く波は圧倒的な美しさなのに、夜の海はとてつもなく怖い。まるで、ブラックホールがあんぐりと目の前で口を開いているような恐怖感があります。
 せっかく美しい海に癒されにきたのに、もったいない・・・。諦めきれずに、波の音だけでも楽しもうと、目を閉じて波音をききました。パシャパシャ、トプトプ、ピチャピチャ。うんうん、なかなか良い。小さな波が岩に当たって弾ける音が、耳に心地よい。波音を堪能して、パッと目をひらくと、目の前には真っ黒の海が広がっていました。

 うぎゃあ~、こわいっ!

 水の中から、たくさんの黒い手が出てきて、海の中に引きずり込まれてしまうのではないかと、恐ろしい妄想が頭の中で繰り広げられます。夜の海って、得体のしれない怪物が潜んでいるとしか思えない不穏さがあります。
 昼間の海と夜の海でこんなに変化してしまうのも、海の不思議。神と悪魔が共存しているとでもいいましょうか。ほんと、美しいものって、相反するものでできている。
 黒い怪物に飲み込まれそうになったので、恐ろしくなり、家に帰りました。
 
 玄関のドアを開けると、夫と三人の子どもたちはバラエティ番組を見て笑っていました。

「長男くん、だいじょうぶだった?」

 夫にきくと、

「すぐに泣き止んで、遊んでたよー」

 とのこと。

 テレビでは、子供たちの大好きな番組「芸能人が考えたドッキリ」がやっていました。みんな、テレビに夢中で私の帰宅には興味なさそうでした。あんなに泣いていたのに、そんなもんなんですね。何だか、安心したのでした。